岬あずさ

橘メアリー

2023年3月某日。コロナ禍の長いトンネルをようやく抜けたその先に、パンツ丸見えの女が落ちていた。久しぶりに街中で痛飲したといった様子のその女は、何事かブツブツとうめきながら、駐車場の硬いコンクリートの上に身を横たえている。終電がどうとか、部長がどうとか言…

繁華街からはずれた暗い通りで俯きながらゴソゴソとカバンを漁る女が一人。話してみると女はスマホを無くしたらしくかなり焦っていた。無くす直前の記憶も曖昧、さらに飲み過ぎからくる頭痛で癇癪を起こし道で荷物を散乱させる女に呆れてしまう。しかし行動は●供っぽいものの…